【双極性障害】心と気分を安定させるコツ|躁と鬱への対処法や向き合い方

【双極性障害】心と気分を安定させるコツ|躁と鬱への対処法や向き合い方
  • 何年も治療しているのに、双極性障害が改善しない
  • 気分の波が激しく、生活が安定しない
  • 人間関係のトラブルが多い
  • 人並みに安定した生活を送りたい

本記事は、あなたが平穏な日々を送るためのヒントとして、私が実践してきたことをまとめたものです。

私は15年以上、双極性障害(Ⅱ型)、発達障害と向き合ってきました。

医師免許などは持っていませんが、試行錯誤した経験は、患者しか知りえないことです。

本記事は、私自身の経験や実践に基づくものですが、同じ病気を抱えるあなたにもきっとお役に立てると考えています(私の経歴についてはプロフィールをご覧ください)。

転職おじさん
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生活を安定させたい、症状を緩和したい、と感じている方はぜひ最後までお読みください。

今、「躁」か「鬱」か分かる?

あなたの心と生活を安定させるためには、「今の自分が、躁か鬱かを知る」ことが重要です。

ご存じの通り、双極性障害の特徴は、躁状態と鬱状態を繰り返すことです。

例えば躁状態では、衝動的・行動的になりやすい傾向があります。

一方、鬱状態では、極端に気分が落ち込み、日常生活に支障が出ることも。

つまり、「躁と鬱では対処法が全く違う」ということです。

まとめると、あなた自身の体調を見極め、その状態に合わせて対処することが重要なのです。

躁と鬱の見極め方

見分け方は簡単です。

日常生活に支障がなければ「躁」、日常生活が辛いなら「鬱」です。

・・・はい、いろいろ言いたい気持ちは分かります。

ですが、この方法が一番理解しやすいでしょう。

一般的には、「睡眠時間が〜」とか「活動的になり〜」などを記録・目安にしますが、正直なところ自己観察は面倒くさいし手間がかかります。

私の体感では、「躁の期間」は判別が難しく、しかも「躁」をどう乗り切るかが非常に重要です。

一方で、「鬱状態」は簡単に判別できるので、それ以外を「躁状態」と考えれば、悩む必要はありません。

「躁」の過ごし方がカギ

「躁の期間」の過ごし方が全てです。

少なくとも、私の場合はそうです。

「鬱」の時は、現状維持できれば上出来。

しかし「躁」の時は、意識すれば多少なりとも自分をコントロールできるはずです。

つまり、「躁の期間」を上手にコントロールして、「鬱」の苦痛を最小限にするのが平和への第一歩です。

躁の過ごし方

躁の時期はリスクが多く、非常に厄介な時期です。

具体例は次の通りです。

  • 活発になり過ぎた反動で、後の「鬱」が重症化する
  • 多くの仕事を抱え込み、後の「鬱」で破綻する
  • 人に余計な発言をして、いつの間にか孤立してしまう
  • 衝動的になり、旅行や大きな買い物などでお金を使い果たしてしまう
  • 病気が治ったと勘違いして服薬をやめ、副作用や病状悪化に苦しむ

まとめると、躁状態が過ぎ去った後に、大きな苦痛と後悔に苛まれるということです。

「躁鬱あるある」だと思いますが、「躁」になると「鬱」の苦しみや、ストレスを何故か忘れてしまいます。

この「鬱の苦しみを忘れる、気にしなくなる」というのが非常に厄介です。

双極性障害では「躁」が終わると、必ず「鬱」になります。

そこで重要なのが、躁の時に「自分をコントロールする」ことです。

具体的には、以下のように心がけましょう。

  • 自己判断で服薬を中止しない
  • 睡眠時間は7時間をキープする
  • 意識的に休憩時間をとる
  • 極力新しい仕事を引き受けない、増やさない
  • あなたの理解者以外との会話やSNSは、必要最小限の内容にする(職場、友人、ママ友など)

「服薬を勝手にやめない」と「睡眠時間の確保」は特に重要です。

事実、双極性障害の治療には、薬物療法が非常に有効だと立証されています。

これは、私が主治医から言われ続けていることであり、ネット検索でも簡単に調べられます。

我々患者にとって、薬は生命線なので必ず飲み続けてください。

また「躁」では、睡眠時間が少なくても苦にならないので、脳や肉体が想像以上に疲労します。

ワシントン州立大学が行った実験で、「6時間以下の睡眠は、徹夜明けと同等の認知レベル」という研究結果が報告されています。

ちなみに、体力・気力の回復に必要とされるのは、7時間以上の良質な睡眠です。

睡眠時間の確保はもちろんですが、5分・10分といったスキマ時間に、目を閉じて休息するのもオススメです。

「躁」では、調子が良いからこそ「意識して休憩する」癖を付けましょう。

転職おじさん
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「躁」の過ごし方は、心を安定させるための「基礎」になります。

鬱に入った時の過ごし方

鬱の時期は、決して自分を責めずに、心も体も省エネで、鬱が過ぎ去るのを待ちましょう。

以下のように心がけると、いくらか気持ちが楽になります。

  • 「できたこと」だけ数える
  • 7時間以上、睡眠をとる
  • 主治医に気持ちを相談する
  • 「できない」のではなく、「体力が残っていない」と考える

できないものは、できません。

部屋が散らかりっぱなし、台所は食器の山、何日もお風呂に入っていない。

できなくても、いいんです。

いくら叩いても、電池の切れた機械は動きません。

でも、何とかしたいのが人情です。

そこで、効果的な休み方を紹介します。

できる時に、5分でも10分でもやってみてください。

効果的に休むコツは、視覚以外の「4感」を刺激することです。

4感とは、「音・匂い・触感・味覚」のことで、具体的には以下のようなものがあります。

  • ホットアイマスク
  • アロマキャンドル、お香
  • 温かい飲み物
  • 雨音など、自然音のBGM

心と気分を安定させる方法

「躁」と「鬱」の過ごし方が分かったら、もう一息です。

双極性障害と共存していくためには、自己観察と自分が無理なく続けられる対処法が必要です。

あなたのできる範囲で、可能な時間で、少しずつ進んでいきましょう。

転職おじさん
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後退ばかりの時期もあります。

3か月、1年たっても取り組めているなら、立派な「継続」です。

まずは、日光浴と起床時間

一定の生活リズムは、「躁」と「鬱」を乗りこなす、必須要素です。

まずは、朝日を浴びることから始めましょう。

目覚めたら、できるだけ早く、カーテンを開けて日光浴します。

この時重要なのは、外の景色を眺めることと、紫外線を浴びることです。

日光は強力なブルーライトですので、脳が目覚めるスイッチになります。

また紫外線を浴びることでビタミンが作られ、体が活性化します。

転職おじさん
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明るい窓辺で日向ぼっこするだけでも、十分効果がありますよ。

日光浴ができるようになったら、起床時間を安定させましょう。

睡眠を安定させるためには、同じ時間に起きる習慣がカギになります。

「朝」の目安として、AM10時までには起きるようにしましょう。

起床時間を決めて、毎日、安定して起きられるようになったら、自然に睡眠の質も改善していきます。

転職おじさん
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起床時間が安定し、日光浴が習慣になると、ホルモン分泌が改善して寝付きやすくなる効果があります。

○×日記

なんとなく生活リズムが安定してきたら、○×日記を付けましょう。

ルールは簡単です。

その日の気分や体調を、「〇△×」の3段階評価でカレンダーに記入します。

あと、だいたいの睡眠時間も、できれば記入してください。

○×日記を続けると、あなたの「躁鬱サイクル」が目に見える形で分かるようになります。

「もうすぐ鬱に入るから、頑張り過ぎないようにしよう」

「今は躁の時期だから、意識して休息をとろう」など、自己管理がしやすくなります。

とはいえ、突然、「躁鬱」のスイッチが入った経験もあるのではないでしょうか?

そこで、○×日記が習慣になったら、自分の「躁鬱トリガー」を見つけましょう。

会社で失敗した時や、羽目を外し過ぎた時など、「躁鬱」に入る「きっかけ」を見つけて記録します。

この、「○×日記」や「躁鬱トリガー」を記録していくと、いつの間にか「自分の取説」が出来上がります。

転職おじさん
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「自分の取説」ができたら、躁鬱の対策がしやすいですね。

家族との距離感

※この章は、あなたに介入してくる家族や親族がいる前提で解説します。興味のない方は次の章「お金の不安の解決策」に進んでください。

人生ハードモードの私たちにとって、親兄弟や配偶者・子どもなど、家族親族と良好な関係を築ければ、大きな支えになります。

とはいえ、精神疾患を理解できない人は多いため、家族とギクシャクしている場合もあるでしょう。

私たちが目指す「良好な関係」とは、「適切な距離感」です。

例えば、「あなたの父が病気を理解してくれない場合は距離を置く」

「理解してくれる場合はサポートをお願いする」といった具合です。

私の場合は、両親と物理的に距離をとり、連絡も必要最小限にしたことで、支配から解放されて病状が良くなった経緯があります。

逆に、妻とその親族は精神疾患への理解があり、私が辛い時期には何度もサポートしていただきました。

これは自慢話ではなく、一つの事例としてとらえていただきたいと思っています。

では、家族と良好な関係(距離感)を築くための、ポイントを見ていきましょう。

  1. あなたの病気について説明する
  2. 説明した時に、家族の反応を見る
  3. あなたに肯定的なら、関係を大切にする
  4. あなたに否定的なら、距離を置く

自分でも理解するのに苦労するのが、双極性障害です。

家族に、病気や体調のことを説明するのは、苦痛を伴うかもしれません。

ですが、家族に気持ちを知ってもらうことは、良好な関係を築くための第一歩です。

そして、あなたの体調を知ってもらう時に役立つのが、「○×日記」です。

「○×日記」は、目に見える形であなたの体調が分かるので、家族も状況を理解しやすくなります。

また、サポートしてくれる家族には、感謝の気持ちを伝えたり、無理のない範囲で家族をサポートしたりしましょう。

転職おじさん
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「持ちつ持たれつ」の関係になれれば最高ですね。

お金の不安の解決策

ギリギリの生活を続けていると、精神的にも物理的にも限界が来てしまいます。

しかし、あなたはラッキーなことに、日本に住んでいます。

自立支援、傷病手当、免税制度、当事者会など、たくさんある支援制度を余すことなく利用しましょう。

お金の不安について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。「精神疾患者向け:お金の不安を減らす助成金・支援制度ナビ」

まとめ

ここまで読んでくださったあなたは、とても勉強熱心で、向上心がある方です。

その情熱が冷める前に、ぜひ、

「日光浴」や「○×日記」を実践してみてください。

2〜3日、もしくは1か月休んだとしても全体で1年、2年と続けているなら、それは立派な「継続」です。

「継続」するポイントは、8時や15時など時間を決めて、毎日のルーティーンにすることです。

例えば、起床時間が8時なら、

  • 8時から10分ほど、外を眺めながら日向ぼっこ
  • 8時10分ころに、○×日記を書く
  • 20時に、今日の躁鬱トリガーを書く(ない場合は、一日を振り返るだけでOK)

あなたの苦悩は、

ありふれた「名言」や「小手先のテクニック」で簡単に変えられるほど、薄っぺらなものではないはずです。

今のあなたが、今できることを、できる範囲で積み上げていきましょう。

転職おじさん
転職おじさん

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

この記事が、あなたの助けになれば幸いです。